Ustedはいつ使う!? ~スペイン編~

スペインの地図

「 Usted 」通常スペイン語のテキストでは

▶︎ tú → 君、親しい間柄
▶︎ usted → あなた、目上の人、初対面の人、知らない人など
フォーマルと習うのが基本かと思います。これが確かに基本です。

ですが!
実際は国や地域により使い方は異なります。以前のBlogで、これ以外に「vos」というものもあり、その使い方といくつかの国の「tú」「usted」「vos」の使い方を説明しました。

スペイン語のvosって何? vosの活用って難しそう? 実はtúよりシンプル 相手が使ってきたら使ってみましょう。

今回のテーマはスペインでは「tú」と「usted」がどのように使われているか?!

Madrid在住のCarolina先生が説明してくれました。

スペインからカロリーナ先生のブログ写真

Prof. Carolina

Nosotros usamos mucho más “tú”, “vosotros y vosotras”.

Prof. カロリーナ 日本語訳

私たちは tú, vosotros y vosotras を(usted) よりかなり多く使います。(vosotros y vosotrasはtúの複数形 基本的にはスペインでのみ使われます)

そうなのです!スペインでは「usted」を使わないことが多いのです。
(他の国やテキストに書いてあることに比べ)

Prof. Carolina

“Usted” y “ustedes” es la marca de respeto y de ser educado, pero es cierto que su uso ha cambiado con el tiempo. En la época de mi abuela los hijos trataban a sus padres y abuelos de usted siempre.Y no hacerlo era una falta de respeto y señal de poca educación. Pero ahora ya no se hace así

Prof. カロリーナ 日本語訳

「ustedとustedes」は、敬意と礼儀正しさを表しますが、実際には時代とともにその使い方が変わってきています。私の祖母の時代には、子供たちは両親や祖父母に対して常にustedを使っていました。そうしないことは無礼で無作法であることを表していました。しかし、今ではそのようなことはありません。

Prof. Carolina

Ahora el uso de “usted” y “ustedes” tiene tres puntos de vista:

Prof. カロリーナ 日本語訳

「usted(es)」 の使い方には3つのポイントがあります

「usted(es)」 の使い方には3つのポイントがあります

Ustedの3つのポイント

Prof. Carolina

1.Es una marca de respeto y por eso debe usarse con personas desconocidas que parezcan mayores que tú, en lugares oficiales (ayuntamiento, hospital, etc) o para tratar con clientes y con las personas ancianas.

Prof. カロリーナ 日本語訳

1.敬意を表すので“自分より年上に見える”見知らぬ人や、公的な場所(役所や病院など)、お客さんやお年寄りに接するときに使う必要があります

Prof. Carolina

2. El trato de usted y ustedes también suele transmitir frialdad así que a mucha gente no le gusta que les traten de usted porque no es amable, cálido, no transmite confianza.

Prof. カロリーナ 日本語訳

2.「usted(s)」を使うと冷たさも感じさせがちなので、「usted」と呼ばれることは親しみやあたたかさや信頼を感じず、好まない人も多いです。

Prof. Carolina

3. Como antes se usaba siempre siempre con cualquier persona de avanzada edad o con personas más mayores que tú, hay gente que si les tratas de usted se siente mal porque piensa que le ves como un viejo y es ofensivo para ellos.

Prof. カロリーナ 日本語訳

3.以前はお年寄りの人や自分より年上の人であれば常に「usted」を使っていたので、「usted」を使われると自分が年寄りと見られていると思って気を悪くする人もいて、不快に感じさせてしまいます

友達
Prof. Carolina

Mucha gente ahora prefiere solo el uso de tú y nosotros porque es más cálido y amigable.Pero cuando hay que mantener distancia o un respeto especial con gente desconocida o que acabas de conocer hay que usarlo siempre porque si no es una falta de respeto.

Prof. カロリーナ 日本語訳

あたたかくフレンドリーなので、今は多くの人が「tú」と「nosotros*」だけを使うことを好みます。しかし、見知らぬ人との距離や特別な敬意を払う必要がある場合、または会ったばかりの場合は、敬意を欠くことのないよう、「usted」を使う必要があります。

スペイン国旗

* nosotrosは「私たち」なのでこれを多く使うことによっても一体感や仲間意識が感じられるフレンドリーなニュアンスになります。例えば分かりやすいものですと”¿Cómo estás?”ではなく、”¿Cómo estamos?”といったりすることです。

スーパー、お店、美容院などではCarolina先生は基本的には60-65歳くらい以上の方以外には「tú」を使うことが多いそうです。家族間では常に「tú」で、学校の先生などにも高校あたりまでは「tú」を使っていて、大学では地位の高い人などには「usted」も使うこともあるかもとのこと。友達に友達を紹介されたときは基本は始めから「tú」を使います。(相手があまり年上の時には迷うそうですが)ビジネスでは基本的には「usted」から入り、親しくなってきたら「tú」に切り替えたりします。当校にスペイン人から履歴書が送られてくる場合、多くはないですが、「vosotros」を使ってくる人も中にはいます。”vuestra academia”のように。「ustedes」と混ざっていることもあります。また、スペインの語学学校などから最初から「vosotros」を使って連絡がくることは多いです。これは同業者同士ですし、親しみをこめているからとなります

Prof. Carolina

Si es mucho mayor que tú, de usted. Sí es una situación de negocios, usted. En cualquier otro caso, de tú.Aunque siempre habrá excepciones.

Prof. カロリーナ 日本語訳

相手がずっと年上であったり、ビジネスの場であれば「usted」を。それ以外は「tú」です。常に例外はありますが。

人によって状況によって少し違いもあります。迷ったら「usted」を使うのが無難です!

きっと

Prof. Carolina

“Tutéame.” (Túを使って)

Prof. Carolina

“Háblame de tú.” (Túで話して)

Prof. Carolina

“No me hables de usted.” (Usted使わないで)

などと言われるでしょう。

“tutear” は「túを使って話す」という意味の動詞です
相手が「tú」を使ってきたら基本的には「tú」で返して大丈夫です。

または

Prof. Carolina

¿Le puedo hablar de tú? ¿Puedo tutearle?

Prof. カロリーナ 日本語訳

「tú」で話してもいいですか? と聞くこともできますね。

もしあなたがtúを使っていても相手があなたにustedを使ってほしいのであれば、

Prof. Carolina

“Preferiría que no me tutearas.”( túで話さないでほしいです)

Prof. Carolina

“No te he dado la confianza para que me tutees.” (túで話される関係ではないかと)

などと言われるかもしれません。

スペイン国旗

まとめ

スペインでは親しみを込めるために「usted」より「tú」を使うことが多いです。「usted」を使うと年寄り扱いされていると嫌がられることも。ただし、かしこまったシチュエーションでは「usted」を使います。スペイン人でさえ迷うことはあるそうで、外国人としてはなお使いわけが難しく感じますが、迷ったらまずは「usted」で話すのが無難です。それがおかしかったら相手の方から「tú」で話そうよと言われます。日本人としては初対面の年上の人になど敬語を使わないのは変な感じもありますが、その人にどのくらいの敬意を示したいか、または親しみを込めたいかにもよります。たしかに「tú」を使って話した方がその人との距離がずっと近く感じます。但し、使い分けは状況によってや個人差もあります。日本でも確かに、“えっ、ここでため口?”と思ったりすることはありますよね。また、日本人同士でもさぐってみたり敬語でなくてもいいか確認することはありますね。 なお、年配の方にたとえ「tú」で話したとしても、”Podrías…”などといった表現を使い丁寧な言い方はでき、そうすることにより丁寧でありなおかつ親しみを込めることもできます。私は日常では「tú」で話すことの方が圧倒的に多いので、またかつて私がいたアルゼンチンでは「usted」はほとんど使わなかったので。(túも使わず「vos」を使います、別のブログに詳しく載せています)「usted」で話そうとすると勢いあまって最後のsを言ってしまうこともあり、少し焦ってしまうことも(苦笑)また、私は迷ってしまうと、最後のsを言っているか言っていないかくらいでごまかしてみることもまれにあります(笑) 面倒かもしれませんが、迷ってしまったとき、「usted」で話してるけどいいのかな?逆に失礼になっていないかな?と不安になってしまったら、思い切って相手に確認するとすっきりして話せるのでおすすめです。相手が敬意を示して「usted」で話しかけてきてくれても、「tú」でお互い話したいのであれば相手にそう伝えてみましょう。一言で済みますので!


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